こちらでご紹介している写真が原画です。

これは、私が新任として4月の入園式を迎える際に作成した当時の壁面装飾です。
実際のサイズはとても大きく、男の子も女の子も縦1m×横40cm〜70cmほどあります。入園式を迎える際は、二人の周りに大きな桜の木(装飾品)を植え、ピンクのスズランテープで春風を表現し、二人の上空には「ごにゅうえん おめでとう」という文字を桜型に切り抜いた台紙の上に貼り、それを飾り付けました。

当時、この壁面装飾を作成するにあたっての大きなテーマは、『壁面(横5m×縦1.5m)をスペース(空間)ではなく、キャンパス(画用紙)として捉える』ということでした。

担任の先生ならば、きっと一度は同じ気持ちになったことがあると思うのですが、壁面をスペースとして捉えると、空間が空いていることを寂しいと思うようになります。そこで、いろいろな装飾品でその空間を埋め尽くしたいという衝動に駆られます。一方で、それをキャンパスとして捉えると、その空間に意味を持たせたいという気持ちが自然と湧き上がります。

例えば、大きな空間に雲を二つ並べれば青空になり、小さな星を三つ並べれば夜空になります。

そんな風に、壁面を一枚の画用紙と考え、大きな絵を描く感覚で上の壁面装飾を作成しました。
ちなみに、男児の右手と右足が同時に前へ出ているのは、大好きなお家を離れ、これから始まる幼稚園生活(依存から自立)へ向けて、少しの緊張と大きな期待感を持って、一生懸命に前へ進もうとする気持ちを絵で表現したいという意図から、そのように致しました(^_^)!


この壁面装飾は、経年劣化や色落ちが進んだパーツをたびたび補修しながら、後の絵理先生や役先生へと引き継がれていきました。
さすがに経年劣化が大きく、今はもう現存していません。
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